ブロックトレードとは

証券会社と機関投資家の間では時々ブロックトレードなるものが行われます。

 

そもそもブロックトレードとは株券の保有者が一度に大量の保有株を処分したい場合、証券会社との相対取引で価格を決定し、一気に引き取ってもらう取引です。証券会社は現値よりもディスカウントされた価格で大量の保有株を仕入れ、それに少し上乗せした値段で、機関投資家に売却します。つまり証券会社の儲けは①「機関投資家に売却した価格 - 仕入れた値段」、②「売却時に得られる手数料収入」ということになります。

機関投資家がブロックトレードに参加するインセンティブは①「売却価格が、その後の売却インパクト等を考えても割安な場合」、②「証券会社との関係を強化し、大切なお客様扱いされることで、その後の人気IPO等で有利にことを進めることができるようにする」ということが考えられます。①は単純に需給の問題であり、これはどこのブローカーが行おうと考えることは一緒です。②は証券会社の力に依存します。機関投資家が関係を強化したいような証券会社であれば、②の力は強まります。これは翻って証券会社のセールス力で図ることができる指標でもあります。それがブロックトレードがセールス主導のビジネスといわれる所以です。

 

ブロックトレードがある際には、証券会社が「仕入れ値」をコンペしていることが通常でしょう。現値からのディスカウント幅を小さく(値段を高く)提示できた証券会社がその取引を取り扱うことになります。このディスカウント幅を提示する力は、その会社のセールス力に依存します。小さなディスカウント幅でも捌ききれる自信があれば、小さなディスカウントを提示することができます。日本市場のブロックトレードで国内系証券の存在が大きいのは、こういった背景があります。

 

さて、今市場の一部では「とある国内系証券がブロックトレードを捌き切れなかったらしい」と話題になっています。この場合には、証券会社は自己勘定で一時的にその株を保有することになり、市場でその在庫を解消することになります。もし、仕入れ値よりも低い価格でしか売却できなかった場合、それは純粋に証券会社の損失ということになります。大量保有報告書等で、捌けたか否かは推測ができます。そういった場合には、証券会社自己の売却による売りフローが推測できるため、先回り的に売りを仕掛けるヘッジファンド等も存在するケースがあります。そうなるとブロックトレードの収益は厳しいものになります。

セールス力に見合ったディスカウント幅を提示することがブロックトレードで非常に大切になります。